その7 旅名人ブックス『ポルトガル』大航海時代のルーツを探る

ISBN4-8222-2699-9 日経BP社 日経PB出版センター刊  218ページ

文 田辺雅文、写真 武田和秀   定価 (本体1500円+税)

イベリア半島の東側にある小さい方の国ポルトガル。ともすると、同じ半島上に
あるのだから、スペインの亜流だろうと思ってしまうのも無理からない話。
しかし違う。思った以上に違う。
歴史的にも、文化的にも、ポルトガルはスペインとはあきらかな一線を画し、
人の姿、形、考え方、その辿ってきた道、そして言葉もスペインとは違う。

それにしても、あの小さな国がなんで、世界に先がけて、アフリカから、インド、
そして南支那海を北上して、日本に迄やってきたのだろうか、そして大航海時代の
先駆者となったのだろうか、と誰しも思う。

この本を読んで頂けば、その答えは明白となるばかりか、ポルトガルがなんと
魅力的な国なのかわかるようになる。そして、ブラジルがポルトガルの分家であり、
チモールや、中国のマカオ、そしてマレー半島のマラッカ、インド大陸のインド洋に
面した西海岸にのこるポルトガルの軌跡が理解できる。

ポルトガルは何世紀も続いてきた、ヴェネチア共和国の繁栄のルートをごっそりと
奪った。そして何年かのちに、その権益はオランダがそっくり奪い、それをまた
イギリスがオランダからもぎとった。さらに、イギリスからアメリカ合衆国が
それを奪って繁栄する。そうした争奪戦の陰には、必ずユダヤ人がいた。

ポルトガルの街はひとつひとつ、カラーフルで、人柄はよく、そして魚介類と
ワインがふんだんにある。もっと近ければ、日本人は大挙して押しかける地だ。
日本人のかわりに、イギリス人が押しかけている。だから、スペインに較べ
英語ははるかに通じる国だ。